切れない鎖
「何て言ってたの?」
優輝は立ち尽くしているユルサルに近付いた。
「あ?いや、もう、私を追いかけはしないと言っていた……」
「え?本当に?どうしてそんなに考えが変わったんだろう」
優輝は不思議に思った。
「きっと……、君の意志の強さに……、勝てないと思ったのだろう……」
ユルサルはそう言うが、優輝は納得がいかなかった。
「とりあえず、部屋に戻ろう」
優輝はそう言うと、ユルサルと共に部屋に戻った。
「シャルン?」
部屋に付くと、シャルンが座ったまま俯いていた。
「あぁ……、優輝か……」
シャルンは弱々しく微笑む。
「シャルン、どうしたんだい?」
優輝はシャルンに駆け寄り声をかけた。
「未来が……、見えたんだ……」
「未来?どんな?」
優輝を聞くと、シャルンは首を振った。