切れない鎖

「見た未来は、人に教えちゃいけないんだ。校長、ストラスさん以外は」

「校長先生にはどうして教えても良いんだい」

優輝が聞くと、シャルンはぽつりぽつりと話し始めた。

「ストラスさんは、元々国を作るのが目的だった。けど、学校を建てて、校長になった。

理由は分からない。

結局その後国王になったんだし。

それと、覚えてるか?優輝。

留学初日に紅茶を出されただろ?

優輝が着く直前に煎れたかのように熱々の紅茶が。

それはな、俺がストラスさんに優輝がいつ来るって、教えたからなんだ。

留学生が来る時を教えろって言われてたからさ。

ほら、俺、未来が見えるだろ?」

そしてシャルンは、自嘲気味に笑った。
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