切れない鎖
それからしばらくは何も起こらずに暮らせていた。
相変わらず稜達が遊びに来てくれる日々。
そして今日は大晦日。
「来年も宜しくね」
夜ご飯を食べた後に、優輝の部屋でシャルン、アナ、ユルサルが話していた。
「日本で年越しするなんて、昔は考えられなかったわ」
アナはにこりと笑った。
「僕もまさか、君達と年越しするとか、考えられなかったよ」
優輝は、アナと明るく話していた。
しかし、
「ねぇ、どうしたんだい?シャルン、ユルサル」
優輝は心配そうに二人に声をかける。
シャルンとユルサルが、日に日に暗くなっているのだ。
まるで、かぐや姫が満月に近付くに連れてふさぎ込んでしまうように。