切れない鎖
(何だ?よく聞こえない……。もっと大きな声で……!)
優輝は呻くのを必死でこらえてユルサルの声を聞き取ろうとする。
「ストラス、我が父が、君がもう私を追いかけられないように、君を撃てと。だから、私は、私は君を……!」
(そうか、そういうことだったのか……。バカだなぁ、君は……)
その時、
ジャリ
と音がし、違う誰かの気配を感じた。
「校長、先生……!」
校長は冷ややかな笑みを浮かべている。
「よくやったぞ、我が娘よ」
ユルサルの隣に立つ校長は、もはや校長としての顔はなかった。
校長、ストラスは、ユルサルの腕をとり、優輝から離れようとした。
「待てよ!」
優輝は痛みをこらえて立ち上がった。