切れない鎖
「ユルサル……、行かないで……」
優輝は必死に訴えかける。
ユルサルはゆっくりと振り返った。
「君、痛いだろう?すまない。君を、傷付けて……」
「そんなの!全然痛くないよ!君が僕の隣にいない方が、よっぽど心が痛い!」
優輝が叫ぶと、ユルサルはふわりと笑った。
「最後まで、悪かったな……」
優輝は、思わず涙が零れた。
「最後だなんて言うなよ!」
それでもユルサルは、
「今まで、ありがとう……」
と、微笑み続ける。
そして、頬に、キラリと光るものを伝わらせた。
そのまま、ストラスと歩き出す。
もう、優輝の事は振り返らなかった。
美しい金髪が、ふわりと揺れる。
小さな身体が、離れていく。