切れない鎖
意志
「ーーたまーーましーーから、だいーーうーーでしょう。ーーーまた来ます」
「ーーありーーござーーました」
「ーーおだーじに」
誰かが話している、声が聞こえる。
目を開けようとするも、まぶたが持ち上がらない。
優輝は、ゆっくりと、ゆっくりと、目を開けた。
「優輝……?優輝!?咲サン!優輝がメヲアケマシタ!」
(この声は、シャルン?)
「優輝!?大丈夫!?痛みは!?」
(この声は、アナ?痛み?)
そして、はっと思い出した。
「ユルサル!」
すぐに起き上がろうとしたが、力が入らず、布団にぱたりと倒れてしまった。
「優輝さん!?今はまだ起きない方がいいですよ!麻酔が抜けてないから、力が入らないでしょう」
「咲……?」
優輝は小さく呟いた。
「優輝さん、今、お医者様が帰られたの。足を撃たれたようだって……。どうして、どうしてこんな事に……」
咲のすすり泣く声が聞こえる。