切れない鎖
「いいんだよ」
優輝はシャルンの言葉を遮った。
「運命は運命だから」
優輝は俯く。
そして頭の中で、ユルサルの事を思い描いた。
(孤独で、縛られてて、ちょっと生意気な君。けど、実は寂しがり屋で、新しいことに興味津々で、とても、とても優しい子、ユルサル)
そして、顔を上げる。
「けどさ、僕が未来を自分で決めることも、運命なんだよね」
優輝の目は、強く、強く光っていた。
何も、恐れることなどないような目。
「優輝……」
そんな優輝を、シャルンは悲しく見つめていた。