切れない鎖
優輝が言うと、シャルンは悲しそうに首を振った。
「だめだ、未来を変えると、未来の全ての事について、取り返しの付かないことになってしまうかもしれない」
「僕は、ユルサルをどうしても救いたいんだ」
「だめだ、優輝……」
それでもシャルンは首を振った。
「俺は、未来を変えないために神社に着いていかなかったんだ。未来を変えてはいけないと思いながらも、きっとお前を庇ってしまうと、自分で思ったから‥‥‥」
シャルンは悲しい、悲しい顔をする。
「ごめん、優輝……」
「いいんだ。シャルン。少し、聞いてみただけだから……」
優輝は、弱々しく微笑んだ。
「ただ、少し、ううん、物凄く、ユルサルに会いたいんだ‥‥‥」
優輝の願いは、宙に溶けていった。