切れない鎖
「怒鳴ったりしてごめんね?けど、僕は絶対にユルサルを助ける。神経が切れてるのなんて関係ない。むしろ、感覚がなくて助かるよ」
優輝はにこりと笑った。
痛く無いだなんて嘘だ。
本当は、そこが心臓になったかのようにドクドクしている。
焼け石がこすりついているように熱い。
それでも、それでもユルサルを助けたいのだ。
また、会いたいのだ。
顔を、見たいのだ。
「僕は、絶対にやってみせるよ」
優輝の強い瞳に、咲は今度こそかけられる言葉がなかった。
それから、優輝は歩く練習をした。
足に添え木をし、包帯を巻き、杖を持ち、ひたすらに歩く練習をした。
優輝を止めようとする人間は、誰一人としていなくなった。