切れない鎖
「シャルン、ユルサルの場所を教えて」
ある日、再び優輝はシャルンに尋ねた。
「もう、教えてくれるまで諦めないって決めたから」
言葉にしなくても、優輝の目が、そう物語っていた。
「いいのか?優輝。もしかしたらお前は死ぬことになるかもしれないんだぞ?それでもユルサルを助けに行くのか?」
シャルンが優輝に聞く。
優輝の答えは、すでに、決まっていた。
「命をかけて、ユルサルを救うよ」
その言葉を聞き、シャルンは微笑んだ。
「分かったよ優輝。お前はもう、諦めないんだな。ユルサルを救う事を」
「当たり前だろう?」
優輝も微笑む。
「ユルサルの居場所を、教えるから」
そう言うと、シャルンは目を瞑った。