切れない鎖
ぼーーーーーーー
船が、港に着く。
優輝は馬を呼ぶと車に乗り込んだ。
馬車はルマーズ学園に向かう。
ガタガタ
となる馬車の中で、優輝は俯く。
(きっと、きっと助けてあげるから。待っていてね、ユルサル……)
優輝はぎゅっと、杖を握り締めた。
馬車はルマーズ学園に着いた。
三度目のルマーズ学園。
(こんなに来るなんて、思ってもいなかったなぁ)
優輝は校長室へと急いだ。
(早く、早く行かなきゃ。ユルサルの元へ!)
足が痛いのは、構わずに歩く。
さすがに走るのは無理だったが、急いだ。
そして、
バン!
優輝は校長室の扉を思い切り開いた。
そこには、
「ユルサル!?」