切れない鎖

椅子に座るユルサルがいた。

その横には、

「ストラス・クライト!」

優輝はストラスを思い切り睨み付けた。

今は、あの笑みが憎い。

「こんにちは、一条君。ノックを忘れてしまったようだねぇ」

ストラスは手に注射器を持っている。

(シャルンが見た未来は今なんだ!)

優輝は、注射器が赤く染まっていないのを見て、少しだけほっとした。

しかし、

「今から私は未来を見れる人間になるのだ!私は君がここに来るのをずっと待っていたんだよ。君の目の前で、この娘の血をすすろうと思ってね」

ストラスは注射器を出したり引っ込めたりする。

「そんな事させない!」

優輝はストラスに飛びかかろうとした。

その瞬間、誰かに羽交い締めにされた。
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