切れない鎖

「?!離せ!」

優輝は腕を振り解こうとした。

しかし、右足に力が入らず、力が抜けてしまった。

「離せ!離せよぉ!!」

優輝は思い切り叫ぶ。

すると、

「一条」

と、ユルサルが声を発した。

その声は優輝を黙らせるには十分だった。

「ユルサル……?」

優輝はユルサルを見つめる。

「一条。何故ここに来た?」

「君を助けるためだよ」

問い掛けるユルサルに、優輝は答える。

しかし、

「君は国に帰れ」

ユルサルは優輝を見つめながら言った。

「どう、して‥‥‥?」

優輝は信じられないような物を見るかのように目を見開き言葉を発する。

「君は前僕に、助けろって言ったよね」
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