切れない鎖

その時、ストラスが暇そうに言った。

「お前たち、少しお話が長いのではないかね?私は飽きた。何しろ来るかどうかも分からない一条君を待っていたのだからね。まぁ、結局来たのだが」

そしてにやりと笑う。

「そろそろ、楽しい楽しい、血を飲む時間になってもいいのではないかね?」

いじっていた注射器を、ユルサルの方に向けた。

(このままじゃ、シャルンが見た未来の通りになってしまう!)

「やめろ!」

優輝は羽交い締めにしている人間を振り解こうとした。

その時、その人の顔が見えた。

その人は、

「ディスクさん?!」

シャルンの父親、シャカル・ディスクだった。
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