切れない鎖
ユルサルは何の表情も示さない。
シャカルは、
「俺はどうすればいいんだ……!」
と呻いている。
その瞬間、優輝はシャカルの力が緩むのを感じた。
(今だ!)
「うぉぉぉぉぉぉぉおおお!」
優輝は足など関係なしにシャカルを振り払い、ストラスの元へ走ろうとした。
すると、
「馬鹿だね。君は」
ストラスが、手にピストルを握っていた。
それは、優輝の心臓に狙いを定めている。
「そんなに死にたいのかね?私がわざわざこの娘の血をすするのを遅めてその場面を君に見せてあげようと待っていたのに」
ストラスは残念そうに首を振る。
「ならば、お望み通り君を殺してあげよう」
カチッ
と音がした。
安全装置を外したのだろう。