切れない鎖

すると、

(ユルサル?危ないよ。避けて。君に、当たっちゃう……)

優輝は、弾が当たってもいないのに、倒れた。

(何だ?何が起こっているんだ)

どさりという音と共に、痛みで意識がはっきりする。

「な、何だったんだ?」

優輝は、打ちつけた腰を撫でながらユルサルを見た。

ユルサルは、優輝を押し倒すように、優輝の上に乗っている。

優輝の心臓付近に顔があるのか、そのから息が胸に吹きかかる。

優輝は、力を込めて起き上がった。

「ユルサル!?弾はあたってないかい!?大丈夫!?」

優輝がユルサルを揺さぶると、ユルサルは小さく声を発した。

「大、丈夫だ……」

「良かった……」

優輝は安堵の溜め息を付いた。

しかし、

「どうして僕をかばっりしたんだ!?ユルサルが怪我したらどうするんだ!?」

と、ユルサルを揺さぶった。
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