切れない鎖

音は、優輝の後ろ、校長室の入り口から鳴っている。

「校長先生!?どうされたんですか!?大丈夫ですか!?」

その声に、

「助けてくれぇえ!」

と、ストラスが大声で叫んだ。

「失礼します!」

その声は、扉を開け、中に入ってきた。

その人は、

「ミラル先生!?」

優輝の元担任、ミラル・シェーンだった。

「な、何で一条君がここに!?一体、何が起きているの!?」

ミラルは訳が分からないといった様子でその場を呆然と見つめる。

「僕たち!校長先生に殺されそうなんです!助けてください!」

ミラルは、叫ぶ優輝と、優輝の上で震えている少女を見た。

そして、校長と揉み合っている男も。
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