切れない鎖
切れない鎖

数年後

「あぁ!こら!待てレノン!」

一条家にシャルンの声が響く。

「ほらほら、シャルンが構い過ぎるから嫌になっちゃったのよ。ねぇ?レノン」

はいはいをしてシャルンから逃げるレノンをアナが抱き上げた。

「パパなんか放っておいて、ママと遊びましょうねぇ?」

シャルンとアナは結婚し、子供も生まれた。

レノンという、元気な男の子だ。

レノンは嬉しそうに声をあげる。

「元気なものだな」

そんな様子を見て、ユルサルも微笑んだ。

「そうだね」

優輝も柔らかく微笑む。

一条家は、結局優輝が継がず、シャルンが継いだ。

それは、皆が納得したことだった。

シャルンは戸惑っていたが、父がシャルンに頼んだのだった。
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