切れない鎖
優輝の足はやはり治らず、杖や車椅子で生活をしている。
優輝は車椅子の隣に立つユルサルのお腹を撫でた。
「僕達の家は、もう少しでもっと賑やかになるよ」
ユルサルのお腹は大きく膨らみ、時々お腹の中の子が内側から蹴るらしい。
「そうだな」
ユルサルも微笑み、優輝の手に自分の手を重ねた。
「男の子かな、女の子かな」
優輝が呟く。
「男の子でも女の子でも、どちらでもいい。元気に、健やかに育ってくれれば」
「そうだね」
二人は、にっこりと笑い合った。
「あぁ!ユルサルさん。お腹に子供がいるのに立っていてはいけませんよ!優輝さんも、ユルサルさんを立たせないでください!」
そこに、咲がやってきて言った。
「咲。帰ってきてたんだ?」
優輝は驚いたように言う。