切れない鎖
「えぇ。旦那様がいいって言ってくれたので」
咲は少し離れた所にお嫁に行っていた。
しかし、時々こうして来てくれるのだ。
咲はユルサルを暖かい場所に連れて行き座布団の上に座らせた。
その後優輝をユルサルの隣に連れて行き、座布団の上に座らせる。
「私の甥っ子か姪っ子何ですからね?ユルサルさん、体に気をつけて、元気な子を生んでください!」
そう言って咲は微笑んだ。
「はい」
ユルサルも笑い返す。
その時、
「うぅ……?!」
ユルサルがお腹を押さえた。
「ユルサル!?ユルサル大丈夫?!」
「陣痛かもしれません!お医者様を呼んでください!」
その後すぐに医者が来た。
優輝はユルサルの手を握り締める。
「ユルサル。大丈夫だからね。僕が付いてるから」
優輝はユルサルを励ます。
ユルサルはこくこくと頷きながら苦しそうに顔を歪める。
そして、
「おぎゃぁぁぁぁぁぁあ!」
元気な、女の子が生まれた。