切れない鎖
長く、美しい金色の髪の毛に、深いブルーの瞳。
足が隠れるくらいふわふわのドレスに、フリルに隠されるように足に繋がっている鎖………。
何故ここにいるのか?
何故鎖で繋がれているのか?
ここにいる事を言いつけた人物、国王とは誰か?
「そういえば、ユルサルの国王って知らないなぁ。でも、あの女の子がいるって言ってたし……」
ぶつぶつと呟きながら階段を降りる。
ぐるぐる ぐるぐる
カッカッカッカッ
ぐるぐる ぐるぐる
カッカッカッカッ
頭までぐるぐるしてしまいそうだった。
(まぁ、いつもあそこにいるみたいだし、また今度着てみよう)
優輝は階段を降り終わり、ギィィィと音を立てて外へ出ると、もう一度塔を見上げた。
すると窓から誰かがこちらを見ているような影があった。
「また来るからねぇ!」
優輝が影に向かってそう叫ぶと、影は引いてしまった。
(絶対来てやるんだ……!)
優輝は心でも叫ぶと、塔に背を向けて食堂に向かうのだった。