切れない鎖

少女はそれを聞くと、また息ついた。

「あのだな、君。私は初めて会った男とピーチクパーチク話して仲良し子良し出来るほど人慣れしていない」

「そ、そうなんだ。つまり、人見知りってこと?」

「人見知りではない。ここに来る人は燕尾服の男しかいない。まぁ、君もここに来たがな。つまり、人見知りではなく人慣れをしていないだけなのだよ」 

優輝はふと思った。

「じゃあ、僕には慣れてくれたの?」

すると少女はソファーの反対側を読みながら本を読み始めてしまった。

「あはは。君、そんなの肯定としか受け取れないよぅ!会って二度目なのに、嬉しいなぁ」

「うるさい」

優輝が言うと、少女がそう、呟いた。
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