切れない鎖
そしてそれを少女が食べる。
その隣で優輝が少女の本を読む。
いつもの光景。
のはずなのだが、その日は違った。
「えっ?あの?」
優輝は戸惑う声をあげた。
少女も驚いた顔をしている。
なぜなら、優輝の前にも少女と同じ食事が並べられたのだ。
「どういうこどだ」
少女は燕尾服の男に尋ねる。
「国王の命令でございます」
「ど、どうして国王が!?」
優輝は驚きを隠せなかった。
「どうせ半年限りの関係なのだから。そういうことか?」
「私にはほんの少しの察しもつきません」
燕尾服の燕尾服の男はすました顔で答えた。
「半年限りって、僕のと君のこと?そんなの、また僕がこの国に来ればいいだけじゃないか」
少女は首を振り言った。
「それでも、半年限りなのだよ。一条」