切れない鎖

「いや!やっぱりおかしいよ!どうして僕君に叩かれたの!?」

「君が変なことを言うからだろぅ!」

「変な事ってなんだよ!僕は素直な心で言っただけだぞぅ!」

するとまた少女は唸りながら赤くなった。

「もう、いいから、この部屋から出ろぉぉぉ!」

少女は優輝に本を投げつけた。

「この、黒髪の黄色の肌の日本人の馬鹿の鈍感!」

そのまま少女は走って、自分ベッドに潜り込もうとした。が、

ドサッ!

と、音を立てて転んでしまった。

走ったために、鎖が足に絡まったのだ。

「ちょっと君、大丈夫!?」

優輝は急いで駆け寄った。

「うぅっ、痛いぃ」

少女は涙目になっていた。

「走るからだよ。その、鎖があるのに……」

優輝は少女のふわふわのドレスを少し捲り、怪我をしていないか見た。
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