切れない鎖
「お~い、君ぃ~!どこにいるんだぁ~い!」
大きな声を出してしばらく待ってみるがどこからも出てこない。
「ソファーに座って待っててみよう」
優輝はソファーに座り本を読みながら待つことにした。
しばらくして、
バタン
という音と共に、
カシャリ
と、後ろの方から音がした。
優輝が振り返ると、少女が驚いた顔をして立っていた。
「君、なぜこんな時間にいるのだね?」
真っ白いふわふわの寝巻きにつつまれた少女は言う。
やはり、鎖の部分はレースで隠れるようになっているが。
「ぼ、僕、やっぱり、昼間の君の言葉が気になって……。もし教えてもらえなくても、昼間の喧嘩の事を謝りたくて……。僕が原因なんだよね?」