切れない鎖
優輝が頭を下げ、言う。
何も反応がないので、上目遣いで少女を見ると、少女は小さく笑っていた。
「ふふふっ」
こんなににこにこしている少女を見るのは初めてだ。
「ど、どうしたの、君」
優輝が恐る恐る尋ねると、
「君は、素直なのだな」
と、笑いを収めた。
「素直?わざわざ謝りに来たからかい?」
少女は首を傾げると、少しだけ頷いた。
「それもあるな」
「他にもあるの?」
するとまた少しだけ頷いた。
「私のことを知りたいと素直に言ったことだ」
「それで、素直だって?」
「あぁ」
少女はカシャリと音を立て、優輝の座っていたソファーに腰を下ろした。
「君は国に帰るまであとどれくらいだ?」