切れない鎖
「もう、3ヶ月経ったから、あと3ヶ月だよ」
「そうか」
少女は目を閉じた。
どうしたのだろう、と、優輝が見ていると、少女は目を開いた。
「全ては話せない、が、話してやれる事もある。燕尾服の男から聞いた話もある。そこは本当の話かどうかは分からない」
「え、そうなの?」
優輝が驚くと、「それでも聞くか?」と、少女が聞いてきた。
優輝は神妙に頷いた。
「私が話すのは、私がここに閉じ込められる少し前の事だ」
それから少女は、ゆっくりと話し始めた。