切れない鎖
回想
ある日少女は、道を歩いていた。
五歳か、それくらいの年の子だ。
すると道端で、一人の少年が草を拾っているのを見かけた。
同じ歳くらいの少年だ。
少年は、葉っぱを真剣に見て、幾つかの葉っぱを籠に入れている。
少女は、何をしているのだろうと思った。
じと見ていると、少年が気づき、少女に向かってにっと笑った。
少女も笑いながら、少年に近付く。
「何をしているの?」
「葉っぱを拾ってるんだ。僕の家は、お金がないから、食べれる葉っぱを拾って、それを食べるの」
「そうなんだぁ」
少女はしばらく、少年が葉っぱを拾うのを見ていた。
すると、
「ねぇ、少しだけ、遊ばない?」
少女が少年に声をかけた。
「いいの?」
少年は聞き返す。
「君は、お洋服がとても綺麗で、僕はこんなにボロボロなの」
そうして少年は自分の服をみる。
「僕みたいな子供と君みたいなお金がいっぱいある子供が遊んでたら、君、怒られない?」