切れない鎖

少女は首をぶんぶんと振った。

「私が遊びたいの!いっつもお勉強ばっかりさせられてるの、つまんないから、勝手にお家抜け出して来ちゃったの。見つからなきゃ、大丈夫!」 

そして少女はふふっと笑う。

「あなたと、遊びたいの!」

すると少年も嬉しそうに立ち上がった。

「僕も遊ぶ!」

それから二人はかくれんぼに追いかけっこ、虫取りなど、沢山のことをして遊んだ。

「痛っ」

追いかけっこをしていると、少女が転んでしまった。

「大丈夫!?」

先を走っていた少年が気が付いて戻ってくる。

「うん。お家でお薬塗れば治るから」

それでも少女の目からは涙が出ている。
 
膝からも、血が滲んでいた。

すると、少年がしゃがんだ。

「舐めるとね、痛いの無くなるんだって」

そして少女の膝に口を付け、傷の部分を舐めた。
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