切れない鎖
「もう半分経っちゃったんだねぇ」
シャルンやアナ、ケサリやミラル、そしてあの少女ともあと3ヶ月。
「思い出沢山作っておかなくちゃなぁ」
それからというもの、優輝は毎日を濃いものにしようと生活した。
一つ一つの光景を目に、頭に焼き付け、クラスの子達と仲良く遊んだ。
そして塔の少女とも、沢山話した。
少女の知らない風景、場所、言葉。
沢山の事を教えてあげた。
また、少女もそれを、目を輝かせながら聞いていた。
そして、残り1ヶ月。
「よいしょ、よいしょ、よいしょ」
優輝は重そうに階段を上っていた。
そして扉を開ける。
「ねぇ、君。いいものを連れてきたよ」
優輝はいつもの通りソファーに座って本を読んでいる少女に声をかけた。