イクメンな彼氏
プロローグ
「比奈の理想の人って、どんな人?」

「優しくて、時々強引でちょっとだけ意地悪で、子ども好きで、ありのままの私を認めてくれる人!」

「えー、何それ細かいよー」

「あ、あとイケメン!!」

「いやいや、そんな奴いねーし。
いても神崎じゃ無理だろ」

「うるさいよ男子!!」


ーー懐かしい夢見ちゃったな。

ぼんやりと目を開けると目に入るのは低い天井と地味なカーテン。たった5畳半の一人暮らしのマンション。

あんな風に騒いでいた高校生の頃はもう随分昔だ。

理想の人って……園児のお父さんとぐらいしかまともに話せないのに、と一人で苦笑いする。

恋なんてしなくても生きていける。

そう思っていた。
いつものカフェで彼に出逢うまでは。
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