イクメンな彼氏
「先輩!本当にありがとうございました」

「神崎もとうとう4年目だね。
しっかり頑張りな!」

お世話になった先輩に頭を下げる。

シエロビルの飲食店街で行われた送別会は一次会がお開きとなり、二次会に向かう人たちの背中を見送る。

時間を見ると10時。
帰って眠ったら明日の朝には悠斗さんに会えると心が弾む。

『今から帰ります。
明日楽しみにしてますね』

メールを送って歩き出そうとすると、後ろから声がかけられた。

「神崎さん、送るよ」

振り返ると立っていたのは藤本さんだ。

「二次会行かないんですか?」

ほとんどの人たちは盛り上がって二次会に向かって行ったから、てっきり藤本さんも行ったものだと思っていた。

「仕事はともかく、女子会の邪魔はこれ以上できないからね」

肩を竦める藤本さんは、酔って羽目を外す女性たちの相手に疲れたらしい。
確かに今日はそれも納得の盛り上がりだった。
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