イクメンな彼氏
悠斗さんのことを話題にするなんて、藤本さんも場の空気をほぐそうとしてくれてるのかな。

少し安心して小さくため息をつく。

「それはよかったね。
まさか入園式にもお兄ちゃんは来るつもり?」

「来ないですよ!
あんまりからかわないで下さい……」

雑談をしていると5分の距離はあっという間で、コンビニの角を曲がると私のマンションが見える。保育園はマンション前を通りすぎてまだ先だ。

ふと私はマンションの前に立っている人影に目を止めた。

スーツ姿の男性がスマホを触って耳に当てると、私のポケットが震えだして目をあげた彼と目が合った。

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