イクメンな彼氏
「神崎先生」
聞き覚えのある声に振り返る。
「なっちゃんのお母さん。明日入学式ですね。楽しみにしてますか?」
昨年度、年長クラスとして受け持っていたなっちゃんのお母さん。なっちゃんはもうすぐ小学1年生になる。
「毎日ランドセルを背負ってニコニコしてるの。先生にはお世話になりました」
「いえいえ、こちらこそ」笑顔を作って頭を下げると、なっちゃんのお母さんが抱いている男の子が「アーッブッ」と声を上げた。
なっちゃんの弟で、確かはるくん。悠理花ちゃんと同じクラスに入園したはず。担任になったのは確か藤本さんだった。
にこにこ笑っていたなっちゃんのお母さんが、少し近づいてきた後そっと周りを見渡して、声を潜めた。
「悠理花ちゃんも入園したのね。
お兄さんとは仲良くしてるの?」
突然出てきた悠斗さんの話に戸惑って「あ、あの……」とどもってしまう私。
今悠斗さんの名前は聞きたくない、動揺を隠す為に曖昧な笑顔を作る。
ちゃんと笑えているのか自信はなかったけれど、彼女は気にする様子もなく、いたずらっ子みたいな笑顔で囁いた。
「大丈夫。内緒にしとくから。
先生だって年頃の女の子だもんね。
また5年間よろしくね!」
お母さんのあっけらかんとした性格はなっちゃんにも受け継がれていて、明るい感じのいい親子だ。
その明るさが今の私には眩しく感じる。
聞き覚えのある声に振り返る。
「なっちゃんのお母さん。明日入学式ですね。楽しみにしてますか?」
昨年度、年長クラスとして受け持っていたなっちゃんのお母さん。なっちゃんはもうすぐ小学1年生になる。
「毎日ランドセルを背負ってニコニコしてるの。先生にはお世話になりました」
「いえいえ、こちらこそ」笑顔を作って頭を下げると、なっちゃんのお母さんが抱いている男の子が「アーッブッ」と声を上げた。
なっちゃんの弟で、確かはるくん。悠理花ちゃんと同じクラスに入園したはず。担任になったのは確か藤本さんだった。
にこにこ笑っていたなっちゃんのお母さんが、少し近づいてきた後そっと周りを見渡して、声を潜めた。
「悠理花ちゃんも入園したのね。
お兄さんとは仲良くしてるの?」
突然出てきた悠斗さんの話に戸惑って「あ、あの……」とどもってしまう私。
今悠斗さんの名前は聞きたくない、動揺を隠す為に曖昧な笑顔を作る。
ちゃんと笑えているのか自信はなかったけれど、彼女は気にする様子もなく、いたずらっ子みたいな笑顔で囁いた。
「大丈夫。内緒にしとくから。
先生だって年頃の女の子だもんね。
また5年間よろしくね!」
お母さんのあっけらかんとした性格はなっちゃんにも受け継がれていて、明るい感じのいい親子だ。
その明るさが今の私には眩しく感じる。