イクメンな彼氏
入園式では担任の紹介があり、私は3歳児の年少クラスの担当となった。正直悠理花ちゃんの担任にはならなかったことに安堵する。
保護者からのクレームの種類は様々だ。先生が誰かを贔屓しているなんてクレームも時折聞く。
悠斗さんとの関係が原因で、悠理花ちゃんを贔屓しているなどと言われては大変だ。
いつかは園長にも二人の関係を打ち明けなければならない日が来るのかもしれない。
そうしたら私、異動にでもなるのかな、なんて下らないことを考える。
これから私達がどうなるのかもわからないのに。
悠斗さんのことを思い出すとつい暗い気分になってしまう。
仕事中にこんなこと考えてちゃいけない。
仕事に集中しようと頭を振ると、入園式の後帰っていく園児と保護者の中に悠理花ちゃんとお母さんがいるのが目に入った。
隣に立っている人の良さそうな男性は理久さんだ。
誰かを探しているかのようにキョロキョロしていたお母さんが私に目を止め、理久さんに悠理花ちゃんを渡して走り寄って来た。
「神崎先生。
プライベートなことで話があって、仕事の後お話できません?」
小さな声だけれど真っ直ぐ見つめてくる瞳の強さに圧倒され、思わず「はい」と返答していた。
プライベートなこと、もちろん悠斗さんのことだよね。
「よかった。
悠斗のマンションの4001号室なんです。
待ってますから」
用件を伝えると軽く会釈して踵を返し、理久さんと共に門の外に消えていく。
話って何なんだろう。
悠斗さん、やっぱり来なかった。
保護者からのクレームの種類は様々だ。先生が誰かを贔屓しているなんてクレームも時折聞く。
悠斗さんとの関係が原因で、悠理花ちゃんを贔屓しているなどと言われては大変だ。
いつかは園長にも二人の関係を打ち明けなければならない日が来るのかもしれない。
そうしたら私、異動にでもなるのかな、なんて下らないことを考える。
これから私達がどうなるのかもわからないのに。
悠斗さんのことを思い出すとつい暗い気分になってしまう。
仕事中にこんなこと考えてちゃいけない。
仕事に集中しようと頭を振ると、入園式の後帰っていく園児と保護者の中に悠理花ちゃんとお母さんがいるのが目に入った。
隣に立っている人の良さそうな男性は理久さんだ。
誰かを探しているかのようにキョロキョロしていたお母さんが私に目を止め、理久さんに悠理花ちゃんを渡して走り寄って来た。
「神崎先生。
プライベートなことで話があって、仕事の後お話できません?」
小さな声だけれど真っ直ぐ見つめてくる瞳の強さに圧倒され、思わず「はい」と返答していた。
プライベートなこと、もちろん悠斗さんのことだよね。
「よかった。
悠斗のマンションの4001号室なんです。
待ってますから」
用件を伝えると軽く会釈して踵を返し、理久さんと共に門の外に消えていく。
話って何なんだろう。
悠斗さん、やっぱり来なかった。