イクメンな彼氏
後味の悪い疲れを感じながら仕事を終え、心の中で3歳児たちに謝りながら保育園を出る。

今まで受け持っていた年長クラスと違って、年少クラスの子ども達は幼い。オムツがとれていない子も多いし、じっと座って食事が取れなかったりする。

お昼寝中も騒いで寝なかったりと、まだ子ども達との関係もできていない中での担任は大変だった。だけどそんなことでイライラしてしまうなんて、今日の私はどうかしている。

いつもならもっと子ども達の目線で考えられるのに。
プライベートを仕事に引きずるなんて保育士失格だよね。

認めたくないけれど、悠斗さんの事が気になって仕事に集中出来ていないことは明らかだった。

今日悠斗さんのお母さんと話をしたら、その後は悠斗さんとも話そう。

悠斗さんが何を考えたいのか、どうして時間が欲しいのかはわからない。
だけど時間を置けば解決する問題ではないと思う。

本当は分かっていたのに、私も悠斗さんも逃げていたんだ。
もう逃げるのはやめよう。
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