イクメンな彼氏
「来てくれて、ありがと」
微笑むといっそう強く抱き締められた。悠斗さんの肩が震えているのが、彼の顎が乗った左肩から伝わってくる。

首が濡れたような気がして
「悠斗さん……？」と囁く。

「心配したんだ……。
本当に、帰ってきてくれて良かった……」
悠斗さんの声が湿り気を含んで震えている。

こんなにも私の事を心配してくれたの？

「俺のせいで、こんなに怖い思いをさせて本当にごめん。比奈のこと守れなくて……」

囁く彼。

「大丈夫、大丈夫だよ」
私は呟いて、強く悠斗さんを抱き締めた。
……そのまま動かない二人。

どれくらい時間が経ったんだろう。

秋の肌寒さにくしゃみを一つすると、悠斗さんが慌てて立ち上がってタオルケットを持ってきたと思うと、ぐるぐる巻きにされた。

悠斗さんは本当に、私に甘いんだから。
だけど、今日はこの蕩けるような甘さに溺れていたい。

「ねぇ、悠斗さん、
カフェラテ飲みたいな」
小さな声でお願いすると、「いいよ」とすぐにキッチンに立ってくれる。

「明日仕事だよね？」

そうなんだ。明日は幸い遅番なんだけど。
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