イクメンな彼氏
3
眩しい光に開いた目を細めると、広い天井が見える。
ここどこだっけ……?
寝ぼけた頭でぼんやりと考える。
そっか、悠斗さんの部屋だ。
ここで暮らすようになって2週間が過ぎた。ということは、あの事件からも2週間が過ぎたということ。
それでもやっぱり慣れないのは、狭いあの部屋で暮らした7年間がいかに長かったかを物語っている。
洋介の目に怯えて、ひっそりと暮らしていた7年間。
プルルルルーープルルルルーー
枕元のスマホに手を伸ばすと、ディスプレイには『悠斗さん』の表示。
時計は9時を指している。
「おはよう」
受話器に向かって挨拶すると、「今起きたの?」と、柔らかい声が耳に届いた。
「今じゃないよ、さっき」
電話で起きたわけじゃないと言い訳する私に、悠斗さんは笑いながら「お願いがあるんだ」と切り出した。
会議で使う書類を忘れちゃったという彼に10時までに持って来れるか聞かれて考える。
「ギリギリになっちゃうかも……大丈夫?」
「いいよ。ありがとう。
会社で比奈の顔が見られるなんて、今日は忘れ物してラッキーだね」
悠斗さんの軽口に、誰もいない部屋でまた頬を染めることになってしまった。
ここどこだっけ……?
寝ぼけた頭でぼんやりと考える。
そっか、悠斗さんの部屋だ。
ここで暮らすようになって2週間が過ぎた。ということは、あの事件からも2週間が過ぎたということ。
それでもやっぱり慣れないのは、狭いあの部屋で暮らした7年間がいかに長かったかを物語っている。
洋介の目に怯えて、ひっそりと暮らしていた7年間。
プルルルルーープルルルルーー
枕元のスマホに手を伸ばすと、ディスプレイには『悠斗さん』の表示。
時計は9時を指している。
「おはよう」
受話器に向かって挨拶すると、「今起きたの?」と、柔らかい声が耳に届いた。
「今じゃないよ、さっき」
電話で起きたわけじゃないと言い訳する私に、悠斗さんは笑いながら「お願いがあるんだ」と切り出した。
会議で使う書類を忘れちゃったという彼に10時までに持って来れるか聞かれて考える。
「ギリギリになっちゃうかも……大丈夫?」
「いいよ。ありがとう。
会社で比奈の顔が見られるなんて、今日は忘れ物してラッキーだね」
悠斗さんの軽口に、誰もいない部屋でまた頬を染めることになってしまった。