イクメンな彼氏
「はづきー……んっ……ぐすっ……」

この胸の痛みは一人で抱えるには辛すぎて、家に着いた私は泣きながら葉月に電話をかけた。

「どうしたの!?」と驚く彼女に事情もうまく説明出来ずにしゃくりあげていると、慌てて家まで飛んできてくれた。

「ふぇっふぇっ……」

彼女が側にいてくれると落ち着く。
小さな頃から私の辛いことを何でも知っていて、いつも話を聞いて励ましてくれる。

「ちょっと落ち着いた?」

泣き止むまでただ側にいてくれた彼女が、泣き声が小さくなったのを察してペットボトルのお茶を渡してくれた。

私の狭い1DKの部屋で、小さなテーブルを囲んで向き合う。

「私……中津さんのことが好きだったんだ……」
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