イクメンな彼氏
中津さんに声をかけていた女の子は私を振り帰り、きつい目で見た後真ん中の大きなテーブルに腰を下ろした。

「おはようございます。どうしたんですか?」

中津さんに笑いかけると「なんでもないよ。今日は朝から比奈の顔が見れてよかった」と頭を撫でてくれる。

……中津さんが好きです。

朝から溢れ出す気持ちを抑えられずに、彼を見つめる。

「俺も大好きだよ」

中津さんはサイコメトラーに違いない。
私の気持ちを簡単に読み取って、さらに私が喜ぶ言葉を紡ぐ。

『今日悠理花ちゃんはどうしたんですか?』と尋ねるのも忘れて、私は時間がもっとゆっくり過ぎてほしいと感じていた。
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