イクメンな彼氏
翌日も遅番で、その後は土日。
いつも通りモーニングに通ったけれど、彼に会うことはなかった。
そういえば、赤ちゃんの名前は聞いたけど、彼の名前は聞いていない。
私の名前も言っていない。
でも、まぁ、関係ないよね。
今日も蝉の声を聞きながら『green express』のドアを開けた。
注文を終えて二階に上がると、「あっあっ」という高い声が耳に入った。
向かって右側の手前、この前と同じ席で悠理花ちゃんが抱っこされている。
そして抱っこしているのはもちろん、この前の彼だった。
この前は紺のストライプのスーツだったけど、今日は明るめの青いスーツ。Yシャツは水色のチェックで涼しげだ。
「あっ、おはよう。
この前は、本当にありがとう」
笑顔を向けられると心臓がトクンと跳ねた。正直な私の心臓。
若い男の人と話すことなんてない仕事だし、こういうシチュエーションに免疫がないだけ、園児のパパと話すんだと思えば……大丈夫、と心を落ち着ける。
「おはようございます」
ぎこちなく微笑むと、「わーっぷっ」という声とともに、悠理花ちゃんが手を差し出してきた。
いつも通りモーニングに通ったけれど、彼に会うことはなかった。
そういえば、赤ちゃんの名前は聞いたけど、彼の名前は聞いていない。
私の名前も言っていない。
でも、まぁ、関係ないよね。
今日も蝉の声を聞きながら『green express』のドアを開けた。
注文を終えて二階に上がると、「あっあっ」という高い声が耳に入った。
向かって右側の手前、この前と同じ席で悠理花ちゃんが抱っこされている。
そして抱っこしているのはもちろん、この前の彼だった。
この前は紺のストライプのスーツだったけど、今日は明るめの青いスーツ。Yシャツは水色のチェックで涼しげだ。
「あっ、おはよう。
この前は、本当にありがとう」
笑顔を向けられると心臓がトクンと跳ねた。正直な私の心臓。
若い男の人と話すことなんてない仕事だし、こういうシチュエーションに免疫がないだけ、園児のパパと話すんだと思えば……大丈夫、と心を落ち着ける。
「おはようございます」
ぎこちなく微笑むと、「わーっぷっ」という声とともに、悠理花ちゃんが手を差し出してきた。