タクティスに染まる頃
「俊貴,頭になるかもしれないってね」

お手伝いさんが持ってきた紅茶を飲みながら,言った。

「はい…」

「怖い?」

「はい…」

「そう…」

お母さんは,考えるポーズをとると,「あたしね」と話し始めた。

「あたしもね,頭の女だったの」

「え?」

驚いたあたしにニコッと微笑んだ。
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