タクティスに染まる頃
「美和,今日の夜空いてる?」

里子が,聞いてきた。

「空いてるけど,何で?」

里子は,あたしの肩に腕を回すと,

「あたしの兄貴,暴走族やってんだよ。
今日さ,集会あってね?
いかない?」

“暴走族”。その言葉に,背中がゾクリとした。
怖いんじゃなくて,好奇心の方で。
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