タクティスに染まる頃
「ねぇ…こっち見てるよね…」

「………」

あたしがあいつを見ているように,あいつもあたしを見ていた。
あの目は,いつもと同じ。
変わっていなくて安心した。

俊貴は,フッーと目を逸らして,皆が集まる中から1人,飛び出した。

「うっせーぞ!静かにしろよ!」

怒鳴り声を上げる俊貴は,龍平さんに似ていた。
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