タクティスに染まる頃
「美和チャン!」

バイクと一緒に,悠人さんは現れた。

悠人さんの姿を見て,あたしは言葉を失った。

悠人さんの服が,真っ赤に染まっていたから。

「悠人さん…それ…」

あたしが指差して聞くと,悠人さんは何も言わずに,「乗って」とだけ言った。

俊貴以外の人と初めて乗るバイク。
不安で,ドクンと胸が鳴る。
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