タクティスに染まる頃
「美…和…??」

弱々しい声があたしを呼ぶ。

「え?」

「美和…」

また,あたしを呼ぶ声が聞こえた。

「俊貴…?」

顔を上げて,俊貴を見ると,うっすら目を開けた俊貴が,あたしを見ていた。

「俊貴!俊貴!祥平さん!悠人さん!先生呼んで!」

そう叫ぶあたしと,目を開いた俊貴を見て,2人は慌てて部屋を出ていった。
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