タクティスに染まる頃
左手を広げて,笑いながら,俊貴はそう言った。

言われたとおり,あたしは,俊貴の所へ行く。

「どうしたのッ……キャッ!!」

力強く,腕を引っ張られて,スポッと俊貴の中に入った。

ギュッと,俊貴は,左手であたしを抱き締める。
何度も何度も,あたしの髪を撫で回す。
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