タクティスに染まる頃
「そこ」

あたしは,見慣れた青い屋根の家を指差した。

「でか」

バイクが家の前で止まる。
あたしはゆっくりと,バイクから降りた。

「お前って,金持ち?」

「さぁ…,何にも知らない」

「そ」

俊貴は,それ以上追求してこなかった。

こいつもか…。

あたしはそう直感した。
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