タクティスに染まる頃
俊貴も,何らかの事情って奴を抱えてるんだと,追求してこない所でわかった。

妙に,親近感があったのは,きっとそれが原因だ。

あたしは「じゃ」と,家の中に入ろうと背を向けた。

「名前!」

俊貴は,大きな声でそう言った。

「自己紹介,聞いて無かったのかよ…。」

あたしは振り向きながら溜め息をついた。
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