タクティスに染まる頃

頭の女の昔話

あたしは,学校から出ると,自分の家への道を歩いた。

久し振りに見た家。
車は無かった。

「ただいま」

中に入ると,懐かしい匂いがあたしを包んだ。
リビングのドアを開けて,あたしは絶句した。

沢山のビールの缶に,弁当のパック。
山盛りに溜まった洗濯物。

その変わりように,立ち尽くしてしまった。
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